アンティークやヴィンテージの素材との出会いから始まるものつくり。はじめにレースと私との出会いがあって、このレースで何をつくろうかと考え、洋服になりかけたけれど、バッグになっていく。

レースに合う革を探し、革に合う糸を探し、革に合う裏を探す。レースの形から本体の形が生まれ、本体の形からストラップの太さや長さが決まる。
そうやって、全くのそのときのひらめきだけを頼りにつくりあげていく。たった一つしかない古い素材だから、そういう仕上げ方でいい。量産を目的としていないから、サイズをノートに残すこともない。パリから来た古いレースがバッグに生まれ変わって、日本のどなたかの手にとられて、また新たな人生を送っていく。それだけでいいし、私の元には数枚の写真が残れば十分。