tsubaki_style2017-10-31

出会いは私が43歳で学校現場に復帰したときに始まりました。
非常勤で図工を教えて、その教え子のMちゃんのお母様との出会い。
明るくて美人でやさしいSさん。その学校には11年勤めました。一番思い出のある学校です。特にMちゃんの学年は総合の授業が始まったばかりで、大きな課題を一緒に成し遂げ、関わることが多く思い入れの深い学年でした。Mちゃんが卒業してからは、いつのまにか教師と教え子のお母さんという関係から、Sさんと私が年も同じだっのもあり、どんどん仲良しになり、互いの家に遊びに行くようにまでなったり、私が作家として活動をするようになってからはオーダーを頂いたり、イベントに駆けつけてくださったり、応援をしていただきました。
Sさんの旦那様は温厚でユーモアもあり、何よりも愛にあふれる方でした。自分のことよりも家族や周りの人を優先して、思いやりのある方でした。近所からお野菜をもらうと、いつも「椿先生のとこに持って行って差し上げたらどう?」とお父さんが言うの。。とSさんがダンボールいっぱいの新鮮な野菜を運んでくださったこと。。。何回あっただろう。いつも人が喜ぶことが好きな方でした。スポーツマンでスキーのインストラクターで、サーフィンもされて、大工仕事も好き。お家に行くと、何やかやトンカチ作っておられる姿をお見受けしました。穏やかですが、数々の困難にも打ち勝って来られた人生でした。やっとこれからご夫婦でのんびりという矢先でした。前向きな方で、私がS父さんから受け継いだ言葉が、どんな困難に出会っても「山より大きな獅子は出ない」です。この御礼の言葉も、そんなお父様に愛されたご家族らしいですね。
退職の今年の早春、楽しみにされていたカナダスキー旅行の前に、大変困難な病が発覚。半年の闘病のかいなく、先日天に召されました。今日はお通夜でした。
憧れのご夫婦でした。何故かお二人、いつも丁寧語で話されるんです。電話の会話をそばで聞いていると、おかしかったなあ。すごく丁寧なんです。「そうですか?」「はい。いいですよ。わかりました。」。。ってね。それが全然他人行儀な感じじゃなくて、ニコニコしながらの会話なので、そばで見ているとなんか。くすっと笑えてくる。品があるんですよね。優しいんですよね。声を荒げる事ってないんだろうな。。そんな穏やかで優しいご夫婦でした。お料理が得意なSさんの作るものが好きで、外食はされない。奥様を一途に愛してらっしゃるのはいつも感じました。神様はなぜ、あのような方をこんな残酷な形で天に呼ばれたのかなあ。。。悔しくて、悔しくて、帰りの車で号泣しました。
壇はうちの長男と同い年の息子さんのアイデアで、たくさんの花を使って連なる雪山と小さなログハウス、手前に広がる波打つ海を表現したすばらしいものでした。お父さんの滅相もない夢が雪山を背にしたログハウス、扉を開けたら前が海岸、そんなうちにいつかは住みたい。。。だったそうで、そんなことありえないという夢だったけれど、最後の親孝行で叶えさせてもらったということでした。ご冥福をお祈りします。