tsubaki_style2006-05-03

我が家の北側には大きな空き地があって、すぐそこにうわみず桜という野生の木があります。まだそこがやぶだった時、根元に絡んでいる針金をはずしてやったところ、どんどん大きく成長し始め、この季節にはふわふわした綺麗な白い花をいっぱい咲かせてくれるようになりました。花は一年おきにたくさん咲きます。去年はほとんど全くといっていいほど花をつけなかったので、今年は満開です。おしろいの様なとてもいい香りがあたり一面にします。木はうちのテラスの上を覆って二階の屋根まで枝を伸ばしています。朝、目覚めて窓を開けると、真っ白な花がゆらゆら揺れて、いい香りを運んでくれます。花が終わると今度は真っ赤な実が生ります。これを狙って鳥がいっぱい来て、その頃は朝早くから鳥の声がうるさくて目が覚めます。そんな素敵な暮らしも、もしかしたら今年限りかもしれません。先日その空き地に「売り地」の看板が下がったのです。売れたら、この大好きなうわみず桜は切り倒されるでしょう。50センチでいいから、この空き地を買いたいなあと思う私ですが、きりぎりすの私には1センチも買うことができないでしょう。今年はそんな思いで見上げると、今までで一番たくさん花を咲かせてくれているこの木が切なくいとおしくてたまりません。