tsubaki_style2006-08-09

ツバキスタイルのバッグは基本的に一枚仕立てです。革が持っている「しなり」や自然にできるしわなどの質感を生かしたいので、裏地をつけることに抵抗があります。布という異素材を持ってくることにも違和感があります。革にそう遠くない関係の布をくっつけることが気分を萎えさせるのです。革に金属という関係より、緊張感がなくて、いやなのです。そして軽いということははずせないポイントです。革そのものをこよなく愛している私は、革だけでがんばって欲しいという思いがあります。しかし、裏地がついているほうが高級感が出るし、内ポケットが欲しい方には、一枚仕立ては不便でしょうね。革に革の裏地は重くなりますし・・・・。そういえば、私自身服も一枚仕立てが好きですね。たとえば、上質のウールのコートやジャケット。裏がないと、圧倒的に軽く、重ね着で、色を自由に重ねる楽しみもあります。少し前に買った面白い表面加工をしたこのレザー、さあ、どんなバッグにしてやろうか・・・・いつものように声が聞こえてくるまで、アトリエに広げて時々眺めて・・・ひらめきました。表面に浮き出るような網目模様を加工してあります。砂のようにかすかにきらきら光ります。色は白、イメージは砂浜に打ち上げられた、乾いた珊瑚。革の形を生かしながら、ふちをカットして、雰囲気を出してみました。とてもとても軽いです。