tsubaki_style2007-03-12

今日も寒い寒い有馬です。大学の同期の二人がやってきました。彼女たちとは前の冬の私の個展に来てくれるまではほとんど会っていなかったのです。そしてその後、「またアトリエに行くね。」といって、今日が来ました。この年齢になるとそんな感じで月日は恐ろしいスピードで走るように過ぎていく気がします。私は大学で染織を専攻していました。倍率だけを考えて工芸科を受けた私は、工芸の中で自分に向いているのは染織かなと、究極の選択で染織科を選んだのですが、やんちゃが好きだった私は選んだ瞬間から失敗だったと感じました。達成感を得られないまま六年間も在籍して、なぜ?といわれれば、今から思えば随分甘い考えで、ただ単に学生でいたかったからです。染織科での勉強は楽しくなかったのですが、学科の授業、日本美術史演習で奈良や京都の寺院を回ったことや、パートナーとの出会いとなった、大学祭で寺山修二のお芝居をやったことは忘れられない思い出となっています。一学年120人ほどの小さな大学だったので、皆顔なじみという感じで、他科の学生との交流が面白かったです。不思議なめぐりあわせで、今お世話になっているジィオデシックのデザイナー、まゆりさんもテキスタイル科出身だそうです。彼女とまだメールだけでやり取りしながらバッグをつくらせていただいた最初のころ、彼女のオーダーでつくってみたのがこの形の小脇にお抱えバッグです。こんな小ささで、しかも小脇に抱えるというのは考えて見なかったのですが、実際作ってみると、これが結構使いやすく、今私も赤い革のものを使っています。このバッグのかぶせ部分の革は彼女がずいぶん以前にイタリアで仕入れられた手染めの革です。こんないい色はちょっと無いだろう深い色合いです。彼女がテキスタイル出身であったことがなるほどなと思わせられます。