tsubaki_style2007-03-11

今日は雪がチラチラ舞い、また真冬に逆戻りの一日です。一昨日のバッグの話の続きをします。あのジーンズリメイクバッグをつくってから、5年後くらいでしょうか、パートナーの仕事に付き添ってニューヨークに行った私は、その翌月から自分の勤務時間を減らして彼の仕事をバックアップする決心をしていました。ところが、そんなつもりで同行したニューヨークの旅で、私は彼のためにできることの無いむなしさを感じ、一晩ホテルのベッドで大泣きをし、やがて、自分が、自分こそがものつくりであることを改めて認識したのでした。帰国して、アトリエを模様替えし、初めてつくったのが、この作品です。昔買ったイギリスのいろいろな植物の葉っぱの写真集の中で何故か気になったのが、イチジクの葉っぱでした。そのイチジクの葉っぱです。光沢のある革に、細く切った革で葉脈をつくり、ミシンでステッチしました。持ち手の鮮やかな紐は、絹糸です。これは、無くなった義兄が西陣の糸染めをしていた人で、彼にもらったものを大切に残していたものです。裏に同じ色のフェルトを使っています。それからの私を暗示するような不思議なインパクトのある作品で、いまも大好きな作品の一つです。