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なかなかてこずっています、このバッグ。自分が今まで好んで使わなかったタイプの形をつくるので、苦戦しています。遊びはポケット・・・・これはいいのですが、縦型というのが頭が痛い。クライアントは、特に縦がご希望ではなかったのですが、A4ファイルを入れて、自転車の前かごに入るという条件はやはり、縦に越したことはないのです。横にするとバッグを無理無理かごに入れることになりかねない。私は縦長のバランスが正直言って好きじゃないです。いえ、トートなら縦長が好きなんですが、ショルダーで縦長のバランスが嫌いなのです。そして、ストラップは二本のトート式じゃなくて、一本のショルダー式がご希望。理由は二本だと、肩から一本が落ちてうっとおしいとのことです。ううん、わかります。すごく解ります。トート式ショルダーって、カッコは良いけれど、ストラップが二本まとめて肩に落ち着かないことが多いですね。パラッと一本落ちたら、気になって仕方ないですね、たしかに。（私はすごいいかり肩なので大丈夫ですが。）そして、斜めがけじゃないのが良いとのこと。荷物が見えない方が良いので、かぶせは欲しいとのこと。形は自立して欲しいとのこと。つまりご希望をそのまままとめると、長方形縦型で、横に短いストラップが一本ついて、かぶせがあり、形はしっかり・・・・イメージはすごいオーソドックスな基本のショルダーバッグになってきます。で、気分が乗らないのです。普通のバッグならつくりたくない。そこで結果。一つ・・・ポケットの工夫。中に内ポケットが二つありますが、表にも斜めに切り込んだポストの投入口のようなポケットをつけました。これは注目ポイントです。二つ・・・ストラップのつけ方。そのままマチ部分につけないで、遊びのあるつけ方を考えました。三つ・・・かぶせ、ななめにカットした形と、そこから伸びるベルトが表のポケット口の留めになります。あと少しで完成です。オーダーの仕事はこうして、苦しみながら、頭を使ってまた一つ新しい可能性が見つけられるので、やりがいがります。今は友だちから広がった口コミという形で作らせていただいていますが、オーダーを通して広がる人との出会いも私にとって大きな財産となっています。