オーダーの仕事はスムーズに行くものもありますが、大半が難しいです。
いわば、100パーセントオートクチュールですので、、素材、サイズからデザインと決まるまで時間がかかります。お店に売っているものでは満たされないからオーダーをいただいているわけですから、難しいのは当たり前ですね。「こんな組み合わせがあったらいいなと思うんですが」、「こんな形はできないでしょうか?」「これをつけて何かつくれませんか?」・・・・・・・それはできないことないですね、面白そう!やって見ましょう。考えるのが好きなだけについつい乗ってしまう。
あれこれアイデアが浮かんでその時は楽しいです。
つくり始めたら早いのかというと、そうでもない。デザインが決まっても、実際やってみると、うまくいかないことがあれこれ出てきます。
今回の時計ベルトのオーダーの難題は、太い幅をお望みですが、デザイン的に金具はあまり好きじゃないとのことで、金具なしで時計を留めることから悩みました。で、編みこみのようにして、革で組み立てました。これだ!ところが、仕上がってみたら、分厚くて(革をすいて薄くしても)はめたら、拘束感が気になります。

ええい!やり直し!こんな風に完成したものにはさみを入れる瞬間はなんともいえない気持ち。そう、陶芸家が、焼きあがった茶碗を割るシーン、ドラマで見たっけ・・・・。
こはぜの付け方はうまくいきそうです。

難題を前にしたほど燃える性格は夫婦似たもの同士。
しかし、これで食べていけといわれたら、無理ですね。
でも、こうして苦しんだことがすべて私の身につくと思ったら、何時間使っても惜しくない。
なーんて言える年齢じゃないか・・・。時間が欲しい。
いや、さくさく仕上げられる仕事でカバーするから大丈夫。そうですねえ。最近難題続きやから、さくさくバージョン欲しいなあ。この後、難題オーダー実は数点あるのです。