tsubaki_style2009-11-10

手縫いでバッグをつくっているというと、たいていの方に「肩凝りませんか?」って聞かれます。
若いころはひどい肩こり症だったのですが、なぜか年を重ねるとともに直ってしまい、今はよほどのことがない限り肩凝りはしません。ありがたいです。
手縫いも、分厚いヌメ革などを縫うと、肩が痛くなりますが、そんな時は肩というよりも、指から、手のひらから肩にかけて痛くなってきます。
手縫いより、肩が凝るのが実は今日のこの作業です。
今しっかりしたエナメルの革でボストンバッグをつくっているのですが、縫い合わせの部分を薄く漉いていく作業がたっぷり。やわらかく薄い革の場合は、漉かなくても縫えるのですが、分厚い革の場合は端から1センチくらいをグルリと厚さを薄くしないと、縫い合わせ部分がごつくなってしまいます。梳きの機械を持っていないので、私は極めて原始的な方法で漉きます。完全なる手作業、かんながけのようなもの。これがひどく力が要って手から肩までいたたたた・・・・・。です。すぐにバッグの形を縫っていきたいのですが、この作業なしでは前に進めません。織りをしていたときに、ひたすら織り機に糸をかけていた時のあの地味な作業を思い出します。手仕事とはこういうものなのです。機械化!したーい!手縫いは好きだけど、手梳きは嫌い。やっぱり梳き機買うか・・・・。梳き過ぎて革が破れないように緊張するので、さらに肩が懲ります。
雨音とラジオから流れる暗いニュースを聞きながら、静かなアトリエでゴーリ・ゴーリ・・・黙々と革を削いでいる今日の私は超暗い。