tsubaki_style2010-09-09

なんだか、型つくりが集中している今日この頃です。
お財布、ショルダー、トート・・・・・あれこれ工夫しながら紙で型をつくるのは楽しいです。
さいころ、おうちが大好きな子で、漢字をつくって遊んでいたと先日書いたのですが、その頃の私のおうち遊びのもう一つは、紙とはさみ。
テレビで、一枚の紙を切って色んな形をつくる芸人さんを見てから、それにあこがれて、はさみで紙を切るのが大好きになりました。手先は器用でした。運動は苦手。走っても遅いし、ボールをけったら何処に行くかわからないくらいの運動音痴。だから、余計に家で遊ぶのが好きでした。小学校の部活は手芸部です。おしとやかでしょう。小学生なのに、刺繍が得意でした。父が写真が趣味だったので、写真の現像の手伝いもしていました。暗い部屋、酢酸の匂い、トレーの中でだんだん浮き上がってくる画像・・・そんな幼いころの経験が今の私のクリエイティブな部分の基本になっているのだろうなあと思います。
紙であれ、革であれ、何かを切ったり組み立てたり、とにかくものをつくっていれば幸せな私です。
ある時、「つくっていられたら、それだけでしあわせなんです。」と言ったら、甘い・・・と言われました。確かに甘いのかもしれませんが、仕方ないのです。本当にそうなんだから。つくることで、食べていけたら?それは、生まれ変わったら考えます。
トータス松本さんがライブで言っていました。「近頃、僕は何かに歌わされている気がする。おまえは歌え・・・という声が聞こえる」と。
歌わされるというのは、もちろん、強制の「・・される」じゃなく、神様の力のようなものでしょうか。私もそんなことを感じていたので、それを聞いた時はドキンとしました。
ニューヨークの旅で自分の素直な生き方に目覚め、その後怖いくらいに湧き出たイメージで一気に何十個ものバッグをつくりあげたあの時、私は、確かに何か大きな力を感じたのでした。それは何十年ももんもんとしていた雲を晴らす力でした。
時々、お客様に、「どうしてバッグをつくりはじめたのですか?」って聞かれることがあるので、ふとこんな話になってしまいました。