くろちゃんと、姫路革ツアー第二回目。
とってもかっこいい革を見つけました。馬の生皮をなめす前に、腐ってしまったという革。これぞ、まさに、本物のダメージ加工。何の作意も無い、すばらしいデザイン。ドロドロ解けて変質していく生皮の変質の瞬間をなめしが止めてしまったその計算されていない美しさは半端じゃない。
そして、「姫路のイタリア人」と私たちが勝手に認定した社長さんが試作されていた革・・・すばらしすぎて、胸が苦しくなるほど惚れこんでしまって、譲ってもらいました。染めていない、ダークブラウンの革。なんで染めていないのに、ダークブラウン?たっぷりとオイルを含ませることによって、ダークブラウンになるのです。つまり、染めていないから、何十年たっても色は変質しません。含んだオイルで、夏は柔らかく、冬はがっちり・・・手触りが変化します。つまり、生きている革なのです。育てる革です。
今回はお客様のご希望でネイビーの革を探していました。帰り際に社長さんが出してくださった綺麗なブルーの革。なんと、染める時の偶然で、花模様のような柄が入っています。たくさんの革を一緒に染めると、革と革の間に染液の滞留が起こり、不思議な模様になるのです。マーブリングのような現象でしょうか。美しい柄の一枚を選ばせていただきました。そこで、社長さん、鶴の一声で、その一枚のために機械を動かして、オイル加工をしてくださいました。

感動。。。。。。私の革が、世界にたった一枚の革が生まれる。仕上がった革はたまらなく柔らかく、あたたかかった。いとおしい暖かさでした。思い描いていた気品のあるネイビーの革に仕上がっています。
出会いに感謝。重い革を棚から下ろして見せてくださった優しい会長さん、こだわりの「姫路のイタリア人」社長さん、そして、一生懸命働くアジア隣国から働きに来ておられる女性の職人さん。私をお母さんと呼んで、甘えて、抱っこをせがんだかわいいかわいい6歳の曾孫さん。みなさん、ありがとうございました。今日は夢のような日でした。