阪急の秋のイベントの目玉商品だった「朝陽のバッグ」の革をつくられた「姫路のイタリア人」社長さんのところに革を買いに行ってきました。

今日は、深いブルーのオイルドレザーと、表はエンジ色で裏が鮮やかな深紅色のオイルドレザー二枚をいただきました。
社長さんはいつものように革について語り始めると、嬉しくてたまらない様子。いま試作中の革についてあつく語ってくださいました。何工程もの処理を重ねて仕上げた革は、時間が経つにつれ、色が美しく変化します。拠れたり、こすれたりして、自然な模様が生まれ、それはまた指でこすれば消え、深い色が戻ります。なぜなら、薄っぺらく表面だけに色を乗せていないからです。革の芯まで色とオイルがたっぷりしみこんでいるから、奥の深い魅力が出るのです。いわゆる塗装加工をした革は新しいうちは、人工的な均質な美しさはありますが、使うほどに生まれるのは目に入る度に気がめいる傷や、味わいのないシワ。でも、合皮のように均質な革を好む日本人はとても多いのが現実です。曲がった胡瓜が売れないのと同じです。ところが、最近のナチュラル志向から、革の傷やシワ、色むらも魅力のひとつととらえてうまくデザインされたものが売れるようになって来ました。いいことですね。今日の革は「深海のブルー」「燃える炎」という名前をつけました。社長さんがプレス加工をしてくださっているのは、「深海のブルー」です。