古くなって色が変わった和紙を貼りあわせてつくったトルソーに、二種類の革を縫い合わせてねじってつくった肩ストラップ。

こういう質感の組み合わせがたまらなく好き。自分がアートの世界の人間だったと再認識するのは、こういうところにこだわる時です。用を優先しないといけないバッグの世界に入っても、用よりまず、テクスチュアや素材の魅力をいかに生かすかに力が入ってしまう。あとは、革の方に歩み寄ってもらう。革は伸びる、なじむという特性があるから、人の体に合わせてくれます。
でも、このねじるというやり方は、実は用も考えているのですよ。まっすぐ、フラットなストラップより、滑り落ちないのです。
そして、縫い合わせた革の袋状の裏には、ちゃんと伸び止めテープも仕込んであります。
撮影が終わって、発送完了。次の赤いバッグにかかっています。

今迄で一番大きなバッグ。軽いバッグが条件とおっしゃっていたお客様なんですが、この革をサンプルでご覧になってから、どうしてもこれがいい!とたってのご希望。重くなりますが、だんな様が持たれるので、大丈夫でしょう。この革はほんまに魅力的なんです。縫い目を空けて行く作業は、マゾヒスティックな修行。
6目目打ちならまだ早いが、力がないので4目ずつ打ちます。
これは、58cm持ち手、2本つくります。
残るは105cmストラップ。頑張るわ。