ロンドンの街外れで見つけた不思議なトカゲのボタンが、更に不思議に見えるこの革、やはり、これを選んで間違いなかった。

鉛筆デッサンのようなモノトーンの美しさ。シルバーが入っているのに、落ち着いた大人な印象。ギリギリのメタリック感と装飾のバランス。フェミニンとパンクのギリギリ。長い道のりをかけて、革選び、金具、糸選びからとことん、悩みました。悩んで正直苦しんで、途中で手が止まってしまった。でも、その苦しんだ甲斐あって、最終的には思いが凝縮された深みのあるつくりになったと思います。ストレートにわかりやすいものでなく、ギリギリの境界線で光るものをつくりたい。たかが、バッグ、されど、バッグ。雑貨という呼び方を否定し、作品といわれるバッグをつくると自負してきた私。変わりなく、迷いなく頑張ります。
撮影が終わり、明日 東京に旅立ちます。