tsubaki_style2017-08-20

私は革の一点ものを手縫いでつくる作家です。なので、つくれる数には当然限りがありますが、面白いことに、なんの調整をしなくても、忙しいときは3ヶ月、4ヶ月待ちをしていただいておりますが、ほぼいい感じでものつくりを続けられるようになってきています。年末にオーダー会をさせていただいて、その仕上がりが春に終わり、今はぼちぼちと、メールでいただいたオーダーなどを受けさせていただいております。幸せなことに、何年も前よりリピートしてオーダーくださる方が何人もいらっしゃいます。ちょうどいい感じの人数なんですよ。めちゃくちゃ人気の作家でもないので、そして、若くて美人だとか、そんな要素もないし、どちらかと言うと猟犬と暮らすええ年の革作家なんて、なんのインスタ映えもせん。考えたら、インスタにアップしても、海外のセレクトショップや同業者がいいねやフォローをしてくださいますが、そこからオーダーが来たことなんかはまーったくないです。何のためにインスタにアップしてるんかようわからんです。いや、私は数は少なくてもsolusが好きといってくださる方に見ていただければそれで良いのです。だから毎日ブログも更新しています。かつては、そこから新しい世界に繋がったら良いなあと思ったこともあります。でも、今はそんな気持ちも正直ないなあ。ああ、80歳とかでパンクな革作家だったらインスタ映えするかもね。笑。がんばるわあ。
さて、このバッグを以前おまかせデザインでオーダーいただいたのは、建築家のTさん。我が家の手直しでお世話になったきっかけで出会いましたが、すごく才能のある方で、数々のかっこいいお仕事をされています。クリエイティブな世界に生きるもの同士で共感することが多く、彼のオーダーをいただけるのは私としてもやりがいがあります。今日は我が家のまたまたちょっとした手直しの相談と、彼からの新しいバッグのオーダーでアトリエにお越しいただき、お話をしました。楽しかったなあ。元気、刺激もらいました。彼のクールな仕事の写真を見せていただいて、私とはまたテイストが違っても、とことん納得するまでつくりあげる姿勢は全く同じで、抱える苦悩も同じで、この国のこの現状で頑張るクリエイター同士として楽しい時間をすごしました。彼のオーダーは今回も、私の感性にすべておまかせ。デザイナー、建築士、その人の仕事に惚れて、さあ、どういうもんが出来上がるのか、ワクワクして待つって。。。。すごく贅沢なんだよね。そんな楽しみを覚えた方は必ずリピートしてくださってます。その楽しみをうらぎらないように、私たちは日々勉強してフレッシュな感性を高めているのです。年はいってるけど、感性の若さでは負けへんで!