tsubaki_style2008-03-29

朝早くローマのホテルをチェックアウト。ご主人はチェックアウトした後、何か持って行きなさい・・と、まだ誰もいない食堂まで私たちを招いて、パンがいっぱい並んだ箱のふたを開けてくれました。ひとつずつパンを取り紙に包んで、オレンジを一個もらい、宿を後にしました。グラッツェ!このホテルも、最高でした。かばんをゴロゴロ引きずりながら、パンをかじって、テルミニ駅に急ぐ。テルミニからペルージャ行きの列車に乗ります。2時間16分各駅停車に揺られ、のどかな田園風景を眺めているうちに S Maria degli Angeli駅に到着。駅前からアッシジ行きの手段を探す。さあ、アッシジ行きのバスあったけれど、チケットは?今まで感じたのは、どの都市でも、交通機関を利用するのは、地元の人には簡単かもしれませんが、よそから来た人間にはなかなか難しい。日本のように、乗り換え案内の放送は入らないし、駅についても、駅名さえ言ってくれない場合が多い。駅の案内表示も小さく、何も書いてないことは当たり前。バルセロナのホテルに向かう空港バスでも、無言で突然止まるバス。あわてて、他のお客さんにホテルの名前を言って、「ここで降りていいですか?」と聞き、何とか間に合った。運転手に聞いても、わからないと愛想悪く答えられてお終いということも多い。方向音痴の私に代わってパートナーが常に必死で地図を読み、二人してあちこちで聞いて回り、それからなんとなくの勘を働かせて、何とか今まで変な方角に行ってしまうということもなくうまくいってきたが、緊張感はすごい。パック旅行なら、こんな神経は使わなくてもいいのだろうけど。駅の売店にたくさんの人が並んでいるので、最後尾の女性に英語で、「ここでアッシジ行きの切符を売っているの?」と聞くと、”May be・・・”と苦笑。そうか、良かった。並んで二枚チケットと、アッシジの地図を買う。バスはあっという間にアッシジの町に到着。さあ、ホテルを探さなくちゃあ。アッシジはすごい坂の町。こんな大荷物で大丈夫?町角に立っていたおじさんに聞いて探し当てたホテルは幸いバス停から近かった。ラッキー!でも、ホテルの前には石段が!えっちらおっちら、石段をあがると、ホテルのオーナーの女性が出迎えてくれた。まだ11時過ぎだったけれど、部屋に通してくれる。すばらしいお部屋。かわいい家具、控えの部屋にはソファーまであるし、お風呂はなんとジャグジー付き!おまけに、ベッドルームからは20畳位の広いテラスに出られて、そこからアッシジの町が見下ろせます。テラスには寝そべる椅子が梱包を解いている最中で、ママは、「あなたたちのために買ったのよ〜」と冗談を言って、「ごめんなさい、これからちゃんと片付けるから・・・・」なんて、やさしい。私たちが早く到着しすぎたのに。アッシジの街を歩く。コムーネ広場から、マッジョーレ神殿、石つくりの家々の間を通って急な坂を上り一番高い丘にあるマッジョーレ要塞へ。またまた石の螺旋階段を上って(ヨーロッパの寺院、お城は人が行きかえない様な狭い狭い螺旋階段ばかり)塔のてっぺんに上がる。アッシジの街が眼下に広がる。ひばりの声がオリーブの林を渡って聞こえてくる。なんて美しい。要塞を出てルフィーノ寺院に行き、街をブラブラ歩き、日が落ち始めたころ、ショーウィンドウにあった蛇をデザインした七宝細工のバックルに惹かれて小さなアンティークショップに入る。店主の初老のご婦人は自分が自ら作った手刺繍のテーブルセンターを見せてくださるが、私はその蛇のバックルがどうしても見たい。お値段は日本円で9000円くらいなので、買ってもいいけれど、七宝が少しはがれている部分があり、微妙なところ。そこに、パートナーがケースの中から素敵なブローチを見つける。1850年ころのコロンブス航海のあのサンタマリア号をとても細かい透かし細工で表現している。帆船の帆が一枚一枚立体的で、帆にかかるロープまで細い銀でつくってある。これはすごい!まったく通じない言葉でお互い筆談しながら、一生懸命交渉して、140ユーロでいただきました。店を出たら、街はすっかり暗くなっています。急いで、ホテルの若主人が教えてくれた地元ウンブリア料理のレストランを捜し歩く。なかなか見つからなくて、またまたあきらめて別の店で妥協しようというパートナーを振り切り、必死で探し真っ暗な闇にぼんやり見えた看板の文字を読んでついに見つけ時は感動!。そこがまたわが人生最高の思い出のレストランになりました。その話はまた後日。アッシジの一日はあっという間に暮れました。