tsubaki_style2008-03-30

アッシジは小さな街で、一泊二日で見て回ることは十分可能ですが、どこを見ても中世にタイムスリップしたような夢の世界。いつものように眠りが浅い私は明け方のテラスに出る。教会の鐘が谷に鳴り響き、広大なウンブリアの平原はもやに包まれて朝焼けの光を浴びながら、少しずつ石造りの家々や寺院やオリーブの林を浮き出していく。あちこちの煙突からは朝ごはんの支度をする白い煙が立ち上り、朝もやの中に溶け込んでいく。もっとゆっくり滞在したい。なんて癒される街なんでしょう。でも、私たちには次の街フィレンツェが待っています。時間を惜しんで、朝ごはんの時間の前に街へ出る。昨日時間が遅くて入れなかったサン・フランチェスコ教会に行く。ここには、サン・フランチェスコの納骨堂やジョットの壁画があります。アッシジの町家の写真を撮ったりしながら散策をして、ホテルに戻る。お昼まで荷物を預かってもらい、再び、ステファーノ寺院やサンタ・キアーラ聖堂などを訪れる。本当はもっとゆっくり、たとえば、教会のいすに座ってただぼんやり時を過ごす、丘の上のオリーブの木の下で寝転んで街を眺める、そんな過ごし方がしたいと思った。いつかまたきっと来よう。ホテルを後にする時、ママが息子さん(ホテルの経営を一緒になさっている様子)と寄り添い、満面の笑顔で手を振って送ってくれました。もう一度必ず来ますね!私たちはまたまた素敵な宿に泊まれたようです。午後1時13分発、フィレンツェ行き列車に乗り、アッシジの街を後にしました。フィレンツェの街はごみごみしていて、騒がしく、一気に現実に戻った気がしました。ホテルのあるビルを探し当て、古いエレベーターで三階に昇ると、不思議とそこは静かな別世界。アーティスティックな内装、おしゃれで清潔。あらまあ、またまたホテル当たり〜!一息ついてお目当てのレストランへ行き、おいしいパスタで癒されました。酸味の効いたトマトのパスタ、豆の煮込みのやさしい味、ニョッキもおいしい。家庭的な味に疲れが吹き飛びました。胃がそんなには強くない私がこの強行軍でまったく快調なのはやはりこんなお食事のせいかな。明日から本格的なフィレンツェ探訪、旅の最終章です。