tsubaki_style2008-08-10

ベトナムは行く前から、雑貨にしろ服にしろあまり期待はしていませんでした。日本の雑貨屋さんやアジア雑貨店で、選りすぐって輸入したベトナム物を見てきているからです。ただし、現地はさすがにお値段が安い。あふれるほどいっぱいのジャンクな雑貨がある。雑貨屋さんが仕入れるならいい仕事ができそう。でも、家にそんなに欲しいものはないし、人に差し上げるにもエスニックものは好みが難しい。何しろ通貨が超インフレで、65円が10000ドンだから、値札を見てもわかりにくい。横からつばを飛ばさんばかりの勢いで激しく迫ってくる売り子のそばで、いちいち値段を見て換算していると、しまいにどうでもよくなってきて、立ち去る。結局あまりお土産は買いませんでした。帰ってから、もっと買えばよかったと思ったのは、食品と、本です。
本・・・かなり高いです。平均月収が一万円という国でたとえばこの写真集が2600円くらい。HANS KEMP という写真家のもので、これでもかというくらい、私たちの想像を超えるというか、運べないものは何もないレベルになんでもバイクで運んでしまっているベトナム人を撮影した写真集です。命がけの生活がアートになっています。
命がけなのは私たち観光客も同じ。信号のない交差点が大半のホーチミン。信号があっても気にせず突っ込んでくるバイクや車。はじめは私たちはいつ渡ったらいいかわからなくて延々とバイクの軍団が切れるのを待っていましたが、そのうち、地元の人の渡り方を見ていると、ジワジワ・・・と少しずつ進んでバイクの川を渡るようにしていくのがベストだとわかりまた。止まってくれる保障は何もないのにバイクの洪水の車道を横断していくのは、命がけでした。
一瞬バイク軍団が途切れたらあっという間に怖いような塊で攻めてくる。いわしの大群のように。私たちはいきなり大海に飛び込んだ金魚みたいなものでした。あわててダッシュしないのが秘訣。堂々と、進んでいく。それでいながら、目は思いっきり開いて右見て左見て右見て左見て・・・ああしんど。