tsubaki_style2008-11-16

2005年の個展に出したショルダーです。これはsolusのデザインの原点ともいえるバッグです。革を買った時に広げてみると、真ん中の傷やしわが少ない部分より、端っこの形の面白さに目が行くことがよくあります。ダリのシュールなとろける曲線や、ガウディーの自然の造形から生み出された曲線が大好きな私は、きれいな曲線のバッグをつくることが理想のひとつです。きれいな曲線とは、つくった時ももちろんですが、使いこなすうちに崩れていきながらも美しいことが理想です。そのためにも一枚革でつくったり、裏は天然素材を使います。このバッグは、一枚革のうねうねした縁の曲線をそのまま本体やストラップのデザインに使いました。オーストリッチは体の本体のプツプツした革が主に珍重されますが、私は足の革のほうがおもしろくて好きです。それをバッグの前面に金具で貼り付けて、ハードな雰囲気を出しました。斜めがけのショルダーですが、木の枝を握って持つとかっこいいです。こんな木の枝、電車の中で邪魔になるやん?て。実用よりおもしろがりやさんに使ってほしいバッグです。
私の創作のスタイルは、「まず、素材あり」です。素材からイメージが湧き、ひとつの素材がまた他の素材を呼び、イメージはひろがっていきます。これを私は「声が聞こえる」とよく言います。素敵な革やボタン、バックル、あるいは枝、石・・を見ていると、こんな風になりたい・・・と言う声が聞こえるのです。
もちろん、まず、こんな形や機能のバッグが欲しい・・というお客さまのご希望からスタートするつくり方もあります。今イベントに向けてつくっているものの大半は素材とのお話から生まれたものです。