私の今年の仕事納めは、このバッグの持ち手です。

実はずっとお預かりしたままで、ようやく先月仕上げたのですが、自分の中でなんとなく満足感がなく・・というか、すっきり決まった感がなく、悩んでいました。つまり・・・・・・・
ワニ革のバッグに、あえて、全く別の革を持ってきて持ち手にするというアイデアは良かったのですが、私の中ではクールな感じがイメージでしたが、ストラップの周りを縫ったことが、どうもしっくりこない。

メタリックな革のクールさを生かしたいので、縫い目は極力主張して欲しくない。でも、基本、持ち手のストラップはボンドだけでは心配で、使っているうちにボンドが浮いてはがれてくる可能性があるのです。どうしても、動きが多い部分の革の張り合わせはそういう危険性があるのです。そのために、縫っておきたい。で・・・ごく細かい縫い目で手縫いしました。味が出ないように。でも、やっぱり、私としては気になる。で、こんな押し詰まってから、お届けしなくてはいけないと思い、今更ながら、ストラップを切ってしまって、一から作り直しました。ボンドをしっかりつけて、切りっぱなしストラップ。縫い目は付け根だけ。すっきりしました。これなんです、イメージは。

縫い目って、むずかしい。魅力にもなるし、邪魔にもなる。
そして、何よりも難しいのがボンド。ハードに動く部分のボンドは種類も選ばないといけない。ただしっかり着くだけでなく、しなっても強いもの。革によって、吸着が悪かったり。ほんと、難しい。そういえば、息子が買ったばかりのD&Gのベルトのボンドがはがれて、私が付け直してやったこともあったなあ。どんな動きにもしっかり着くような技術をこれからも勉強しなくちゃあ。で、今日使ったボンドはゴムのりの最強力タイプです。