お財布は、部品がたくさんあるので、下準備に時間がかかります

裁断したパーツの革にそれぞれにあった種類や厚さの革を裏張りして、縫い合わせる両端部分を数ミリ薄くしておいたり、縁の折り返し部分が使用しているうちに延びてこないように加工を施したり・・・・何やかやで数日かかります。縫い始めたら早いのですが、こういった準備は本当に時間がかかります。サイズどおりに切ったつもりでも、合わせてみたら、一ミリ足らずですが合わないときもあります。そういう時のために、少し大きめにしておくのですが、うっかり、ジャストに切ってしまってることもあります。ガク・・・落ち込みますが、また革から切り出します。今日は小銭入れをつけ始めて、少し使い勝手に気になるところが見つかったので、小銭入れを初めから作り直しました。そんなこんなで、ほんまに、下準備は時間がかかります。でも、こういう過程を徹底的にこだわっておかないと、縫い上げの最中に後悔するのです。どんなことも、そう、ものつくりだけでなく、人生において、基本、ベイシックな部分をちゃんとすることは大切ですね。せっかちな性格ですが、こういうことに関しては、自分でも相当ストイックで粘り強いなあと思います。そういう私を支えてくださっているのがお客様です。皆さんすべてが違う色々なオーダーに、それぞれの色々な想いをかなえさせていただきたいと・・・一生懸命考えて工夫しているうちに、気がついたら、自分の引き出しがとても増えて来ていることに気がつきます。
今回のお財布のHさんは、なんと、このお財布をおじいさんになるまでずっと使いたいので・・・と言ってくださいました。それって、えらい事です。革選びから、縫い糸選びまで、ちょっと緊張しました。笑。。。糸は一番耐久性があるといわれるものを選びました。さあ、大きな山を越えましたよ。。