三年前の春、入社式の翌日だったか、東京の生活にまだ不慣れだった時、落とした財布を一瞬で捕られてしまった次男。嵐の夜、同じ都内に住む長男のマンションまで、心細い気持ちでまだ知らない大都会の夜の町を必死で自転車をこいで走った辛い思い出。その時に、落としてもすぐにわかるような存在感のある財布をつくってあげるわ・・・と、彼のこれからの東京砂漠での厳しい生活にエールを送る思いで、急いでつくってやったのがこの財布。

明日大阪でライブをしてからそのまま東京に帰るというので、寝る前に、磨いてやっておこうと思いました。磨いていたら、よく使っていて、角の糸が少し切れているのを発見。深夜のアトリエで、チクチク縫い修理をしました。今度帰ってくるのはいつかな。。。一緒にいると、10代のころと何も変わらない感じがする。浪人時代は父が忙しくてあまりいなかったから、よく二人で話をしたなあ。まっすぐにきちんとした大人になってくれていて、母としては本当に嬉しいです。私の人生で一番の作品は二人の子どもたちだと思います。彼らを育てるために母としてのできる限りのことをしたいためにアーティストとしての自分を犠牲にした時代は、やっぱりあれでよかったんだろうな。クリエイターとしてのスタートがあまりに遅かったかもしれないけれど、彼らとともに過ごしたあの豊かな時間があったからこそ、今の私があるのだと思います。ありがとう。。。。。。。