tsubaki_style2014-10-17

ボストンバッグは牛の毛皮、いわゆるハラコ皮を使っています。本当のハラコは胎児の皮なので、今は残酷だというので流通はほとんどなく、ハラコといって売られてているものの大半が子牛や成牛の毛皮です。毛皮なので、縫いにくいです。縫い目が見えにくいから。もちろん目打ちでの縫い目の穴を開けるのも難しい。でも、なんで手縫いをするかというと・・・・・
最近ミシンを使うのをとことんやめようと思っています。内袋は布の場合はミシン縫いなんですが、革の場合は全て手縫いにしています。なぜ?まず、ミシンでは信頼できない部分が手縫いならわが手によるので大丈夫な点。具体的に言えば、縫い目がつれるとか、飛ぶとか、ほつけるという心配がない。かかる時間は何倍もになるけれど、私の仕事は時間でお金を稼ぐものではないので、それは関係ない。一点もので、すべてが作品と呼べるものでありたいから、かかる時間は効率として計算してはいけない。
中袋が仕上がっているので、本体を縫い上げ、持ち手をつくり、持ち手を本体につけて、それからファスナーをつけて口を閉じる。まだまだかかります。
先日の天使の羽のバッグは無事パリで活躍しているようです。バッグって幸せな存在だなあと思います。いつも手にしっかりもっていただいたり抱きかかえられたり。手や体との関わり方、もっともっと考えてみたい。