tsubaki_style2011-11-06

雲井さんとのコラボ。
彼女の刺繍は恐ろしく繊細。でも、タフ。
彼女がこの刺繍を持って神戸に来られた時、
カフェでバッグからこの刺繍を出して、無造作にテーブルに置かれました。素敵!カッコいいのです。彼女と感覚が合うのはそんなところかな。ジェーン・バーキンが無造作にエルメスのバッグを使っていたように、上質のものをさりげなく扱うかっこよさ。
決して白い手袋をして・・・・そろりそろり・・じゃなく。
雲井さんの刺繍はきちんとした技法でつくっておられるので、そのまま洗濯しても壊れないとか!すごいです。自信に満ちています。そうありたい。
私の仕事は、革という生きている素材を・・というか、生き物から出来た素材、変質という運命を持っている素材、一点一点、違う質との戦いです。同じ牛から取れた革でさえ、部分によって強度が違います。そして、経験から学んだことでありますが、革によって、縫い方、目打ちの仕方も変えなくてはいけない。
ウサギのファーに刺繍作品をつけています。ウサギの毛皮は狐ほど堅牢ではありません。革自体が薄くて裂けやすく、弱いので、目打ちで穴を開けるより、千枚通しのような工具で小さめの穴を開けます。そして、毛が深く糸で縫いあわせにくいので、カシメで留めて行きます。毛を掻き分けながら、一個一個。神経を使います。